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世界の果ての魔法屋

詩や物語を書いています 魔法のような作品を創っていきたいです…。

浪漫童話「妖精」

季節は、春というにはまだ遠く…
冬というには、たりないものが多すぎて…
だけど、それに気づく人は多くはなくて…。

この話は、ボクにとって季節が意味を無くし、
本当の季節に出会った頃の話で
今でも、ボクの胸を少ししめつける。

透き通る青い空の下で、
目を覚ましたボクは
その美しさに、ひとり涙した。

ボクは、世界に溶けていた。

その時に、彼女に出会った…。

はじめて、彼女に会った頃。
どうして誰も、彼女に気づかないんだろうと不思議に思った。

彼女は誰よりも純粋で、小さな身体を使って
ボクにいろいろな事を伝えてくれた、一生懸命に。
その笑顔に、ボクはドキドキした。

どうして誰も、彼女に気づかないんだろう?
そんな疑問も、
ボクだけが彼女に気づいているという
喜びの前に消えていた。

だけど、その彼女はもういない…。
それを知っているのは、ボクだけだ…。

キミたちは知らなくちゃいけない…彼女のことを。
誰よりも純粋で、誰よりも一生懸命だった彼女のことを。

誰もが、この場所で立ち止まる。だけど、誰も気づかない…。
だから、ボクが伝えよう。彼女のために。

彼女は確かに存在した。生まれたばかりの季節の中で
花びらにまぎれた、雪のように…。

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